「キリンカップサッカー2005観戦記」 観戦記

◆第1戦◆

2005年5月22日(日) 13時20分(新潟スタジアムビッグスワン ◇39856人 ◇曇)

 

日本   ペルー
0
前半
0
0
後半
1
     
58%
ボール支配率
42%
0
合計
1

【得点者】

ペルー:バサージョ(後半48分)

【交代】

日本:大黒(玉田=後8分)、稲本(福西=後24分)、本山(鈴木=後34分)

【スターティングメンバー(日本)】

川口能活(ジュビロ磐田)、田中誠 (ジュビロ磐田)、宮本恒靖 (ガンバ大阪)、坪井慶介 (浦和レッドダイヤモンズ)、小笠原満男 (鹿島アントラーズ)、三都主アレサンドロ(浦和レッドダイヤモンズ)、福西崇史 (ジュビロ磐田)、遠藤保仁(フェイエノールト)、三浦淳宏 (ヴィッセル神戸)、鈴木隆行(鹿島アントラーズ)、玉田圭司 (柏レイソル

 

◆第2戦◆

2005年5月27日(金) 19時23分(国立霞ヶ丘競技場 ◇53123人 ◇晴れ

 

日本   UAE
0
前半
0
0
後半
1
     
60%
ボール支配率
40%
0
合計
1

【得点者】

UAE:ハイダル・アロ・アリ(後半24分)

【交代】

玉田(鈴木=後20分)、本山(坪井=後27分)、茶野(田中=後32分)、稲本(福西=後37分)

【スターティングメンバー(日本)】

川口能活(ジュビロ磐田)、田中誠 (ジュビロ磐田)、宮本恒靖 (ガンバ大阪)、坪井慶介 (浦和レッドダイヤモンズ)、小笠原満男 (鹿島アントラーズ)、三都主アレサンドロ(浦和レッドダイヤモンズ)、福西崇史 (ジュビロ磐田)、小野伸二(フェイエノールト)、加地亮 (FC東京)、鈴木隆行(鹿島アントラーズ)、大黒将志 (ガンバ大阪)


ペイ三郎でございます!私が思うに今回の「キリンカップ2005」、いや本来「キリンカップ」とはスケジュール的に都合が良く、かつ日本より比較的弱い2カ国を日本に集め“日本を優勝させるための大会”、いわば古き良き時代のプロレスのように、相当な悪役外人レスラーを相手に戦っても結局は(もちろん予想通り)勝ってしまうG馬場さんの試合のような大会であると信じておりました。

もちろん今回のキリンカップもW杯最終予選の残り3試合へ向けて、いかに気持ち良く勝って敵地に乗り込むか…、というコンセプトとしてはタイミング的に最高の大会であると思っておりました。

それがどうでしょう?2連敗でしかも後味の悪い負け方です。

今回の敗戦は、W杯予選突破の喜びを倍増させてくれるためのイントロだと信じております。

ということでお待たせしました!!

アダモ師匠より「キリンカップサッカー2005 総括観戦記」をお送りします!!

「キリンカップ2005を総括して…」

このキリンカップに関して日本代表を“勝負強い”とか、“勝負弱い”とかで例えるなら、“本当に勝負弱かった”と思います。W杯最終予選が佳境に入ってきた今、“いい所があった”、“惜しい所があった”そんな言葉は何の意味も持たない。大事な試合において内容はどうであれ「確実に勝てるか」、「勝ち点を取れるか」そういうことが問われている時期なのです。特に今回のキリンカップですごく感じたこと、それは「対戦した相手に日本のチーム全体を“試合をしながら見られている”」ということです。そしてこの“見られている”は“見切られている”に変わり、最後は一つ一つのプレーと試合の流れを“読まれている”に変わっていくのです。

要するに相手からすれば、日本に対しては“こうしていれば大丈夫”とか、“こういう時に攻めればチャンスが作れる”とか、もっと言うと“あの選手のこういうところに穴がある”とか、そういったところまで読まれているという事です。そしてこれはいい意味で選手・チームのズルさへと変わっていく…。これがペルーと日本、UAEと日本の大きな違いだったと思います。そしてこのズルさに関しては今回の日本代表に限らず、日本は伝統的に劣っている部分です。今回の場合、ペルーの選手達からすれば日本代表の印象はおそらく個人の技術もしっかりしていて、パスも良く通し、一所懸命に攻めて守る。ただそれだけだった…ということになります。要するに攻撃も守備もここぞというポイントに弱いという事を言われている。言い換えれば“相手に見切られている”のと同じなのです。

“見切られている”ということは“見下されている”のと同じ、僕はそこが試合の勝ち負けよりもはがゆくて、くやしくてしょうがない!また、今回のペルー代表に関しては、大事な南米最終予選に呼ばれるのはゴールを決めた選手(バサージョ)だけで、あとは呼ばれないとのこと。その情報を知った時は、はっきり言ってショックでした。なぜならペルーの若手とも言える選手達に日本代表は見切られていたということです。

もう決定力に関してはイヤというほど書いてきたので、今回は書く気がしません。

最終予選の残り試合、サッカーの神様が微笑んでくれることだけを祈ります。(特にバーレーン戦ではそれを一番願っています。)但し、北朝鮮は面白いことに今回書いた日本の特色とよく似ています。なぜなら北朝鮮も一所懸命走り・守る…ただそれだけのチーム。相手を見る力が弱い、要するにサッカーという勝負の本当の意味でのズルさが無いのです。

北朝鮮戦はそういった意味でのガチンコになるでしょう。相手の出会い頭的な得点さえなければ勝てる!(僕はそう信じている。)そして今回、名指しでひとつ書かせてもらいます。

「坪井!ペルー戦もUAE戦も、勝負を分けたあの一点はどれも君が絡んでいる。言い換えれば(本当に申し訳ないが)、君自身がしっかりしていれば防げた失点でもある。大きなケガから復帰し、まだ試合カンが戻っていないという見方もあるが僕はそう思わない。あの失点の原因は何かというと、それは君の“おごり”だと思う。つまり“自分にはスピードがある”というおごりである。DFでスピードがある選手は少々逆やウラをつかれても、そのスピードで追いつけるという変な自信を持っている。それがあらゆる相手の攻撃を想像するという“読み”をおろそかにする時がある。あの失点は君のそういう所から生まれた失点だと思う。君にはスピードといういくら練習しても身に付けるには限界がある天性のスピードがある。DFとしてそれを君の大きな武器にするためにも、常に相手の攻撃を読み、的確なポジションニングをとるという基本を忘れないでほしい。その基本の上で、スピードがあるということが大きな武器になるという事を肝に銘じてほしい!!!」

なぜ名指しでこういう事を書いたかといいますと、僕が現役時代に足があまり速くなかったからです。(スピードのある選手が本当に羨ましかった〜)僕が羨ましかったそのスピードを坪井選手は持っている。だからあの失点、そして坪井選手のあのプレーが本当にくやしいのです。今回の「キリンカップ観戦記」は坪井選手に是非読んでほしいものです。そして坪井選手の言い分も聞いてみたい…。

「ガンバレ坪井!君にはその素質がある。素質だけで代表を選ぶなら君は不動の先発だ!」

代表選手に失礼だと思うが、僕の方がずっと年上だということに免じて許してほしい。

そして最後に言わせてほしい。

坪井!DFはあまくないぞ!!奥が深いぞ!!!

島崎俊郎

ペイ三郎(あとがき)

アダモ師匠からの厳しくも暖かいメッセージ、坪井選手に是非届けたいものです。

(あっ、そうそう。もし坪井選手がこの観戦記をご覧になりましたら、お手数ですが私ペイ三郎までメッセージ下さい。それと記念にサインも…。出来ればサインボールがいいです。“アダモスファミリーへ”でお願いします!)

さて今回のキリンカップですが、私はある意味「これで日本の予選突破は間違いない!」と確信しました。なぜならこの2戦で日本が放った数多くのシュートが、もし面白いように決まっていたとしたら…、もし5対1くらいで圧勝していたら、日本の課題(カウンター攻撃への対処)については触れられないまま残りの最終予選に乗り込むことになります。今回のキリンカップは、いわば受験生が試験前に “何が出題されるか” を事前に教えてもらったのと同じく、今後の最終予選に向けて“何を修正すべきか” を再確認出来た貴重な大会であったと思います。もちろんこれは前向きな考えですが、日本も3度続けて同じミスはしないでしょう。それよりそろそろ攻撃陣が爆発してくれることを願います。

では大事なバーレーン戦の勝利を願って、この辺で失礼します。それではみなさん♪ご〜きげ〜

 

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