日本×イラン 観戦記

2005年3月25日(金) 18時5分:現地 (アザディ・スタジアム、晴れ、観衆:120,000人)

◇W杯アジア最終予選B組

日本   イラン
0
前半
1
1
後半
1
     
58%
ボール支配率
42%
1
合計
2

【得点者】

日本:福西(後半21分) イラン:ハシェミアン(前半25分) 、ハシェミアン(後半30分)

【交代】

日本:柳沢(玉田=後17分)、小笠原(小野=後34分)、大黒(高原=後37分)

イラン:ナビドギア(ダエイ=前43分)、アラビ(ザンディ=後20分)、ニクバフト(カリミ=後32分

 

【スターティングメンバー(日本)】

楢崎正剛 (名古屋グランパス)  宮本恒靖 (ガンバ大阪)

三浦淳宏 (神戸)  中沢佑二 (横浜Fマリノス)

加地亮 (FC東京)  中田英寿 (フィオレンティーナ)

中村俊輔 (レッジーナ)  福西崇史 (ジュビロ磐田)

小野伸二 (フェイエノールト)  高原直泰 (ハンブルガーSV)

玉田圭司 (柏)

 

「観衆12万人の大アウェー! 前半戦の大一番! えっ、4バック???」

ペイ三郎でございます!日本の第2戦。しかも相手は同組最大のライバルであるイランです。しかも単なるアウェーではなく、世界でも有数の大アウェー(テヘラン)なのであります!! 昨年制覇した中国でのアジアカップ、一次予選アウェーでのオマーン戦を例にとっても日本はアウェーでも堂々たる戦いが出来るチームです。観衆12万人?問題ないでしょう。しかし、それ以上に日本には身内に不安点がありました。欧州組、特に中田のスタメン起用がどうチームに影響するか?しかもこの大事な一戦で4バックって???私の記憶が正しければ、ここ数年は好結果が出ていないはず。(サテライト相手の試合でも苦戦したことがあったはず。) この件については、のちほどアダモ師匠にじっくり分析して頂くとして、その前に“アウェーでの戦い”とはどういういう状況なのか?私なりに分析してみたいと思います。よく「引き分けでも勝ちに等しい」だとか、「守備的にならざるをえない」だとか…、野球のビジター以上のイメージがあります。誠に恐縮ですが、私がここ数年励んでいるマラソンを例に挙げてみます。マラソンとは我慢のスポーツ。その中でいかに前向きな精神でレースを進められるかが重要です。つまり、沿道からの暖かい声援は背中を押してくれます。これが例えば、スタートからゴールまでの42.195キロの間、沿道から「帰れ〜!この野郎〜!ブサイク〜!」などという罵声が延々と続いたら…私なら間違いなくリタイアします。(想像するだけでも嫌ですが、このレース風景、結構面白いかも・・) 他にも色々なケースを想像してみたいと思いますが、何はともあれ今回は敗戦ということで、アダモ師匠から日本代表へ大提言があります。ということでお待たせしました。アダモ師匠の「日本×イラン観戦記」をお送りします!!

 

サッカーというのは本当に難しい!いい選手を並べればそれで勝てるかというと、そんな簡単なものではない!!

明らかに力の差があるチームなら戦術がなくてもいい選手を並べ、その各個人の発想だけで戦っても勝てるだろう。しかし力が接近していれば組織と戦術が勝敗を決める大きなポイントとなるのです。

そんなことをつくづく考えさせられた一戦だったと思います。

その組織と戦術ですが、日本にロナウド、ジダン、ロナウジーニョがいるわけではありません。もちろん現在の日本代表の駒(選手)で戦うしかなく、その駒を最大限に生かせる組織・戦術を考えるべきだと思います。何を訴えたいかというと、僕が今まで見た日本代表の試合で一番機能していたのは、やはり「3バック」だと思います!!

「4バック」の場合、ディフェンスのミスが多い。これは選手がシステムに対する違和感があるからだと思います。この予選が2年後なら続けてもいいと思いますが、今はまさに予選の真っ只中なのです。現に違和感がありミスが多いシステムを続ける理由はどこにもない、さらに攻撃に関しても4バックのシステムでは何の特徴も出ていない。それどころか前線が孤立ぎみになり、相手DFを崩せる雰囲気を感じさせてくれない。要するに攻撃の形が見えない=(イコール)日本の武器が無くなってしまうということです。

これに対して3バックの場合は4バックに比べて攻撃の形がみえる。象徴されるのが三都主の左サイドからの崩しです。何度も仕掛けることにより、実際に決定的な場面が生まれたり得点に結びつく。つまり3バックの場合は、明らかに攻める選手の動きに意図が見られます。

断言します、「“日本”は、いや“ジーコ”はシステムを3バックに統一すべきである!!!」

明らかに機能していないシステムを、“中田と中村の両方を使いたい”という意図があったにせよ予選の最も重要な一戦で採用する必要はどこにもない!!!

重要なのは最もフィットする組織を考え、次にそこへ選手を並べるべきだと思います。

以前から疑問だったのが、右サイドの加地の起用です。3バックの時に特に思うのが、左の三都主からの供給が結構あるだけに、右からも同じように崩せないものか?と常に思います。日本代表のDF守れるのは当然、問題は攻撃の力です。

またまた断言します、「加地のポジションは加地ではなく、もっと攻撃の出来る選手を起用すべきだ!」

日本の攻撃力が課題として挙げられますが、加地のポジションにもっと攻撃力のある選手を起用すれば、左の三都主からの攻撃に加え右からの攻撃は一層の脅威を増す。これにより前線の選手である高原・玉田・中田・中村・小野が生きてくるのです(さすがヒデ!さすがシュンスケ!となる)。彼らは決して一人で局面を打開して得点までするタイプではない。ましてや機能していない組織の中に入れて、「なんとかしてくれ!」というのはあまりにも負担が大きすぎます。(彼らはロナウドでもジダンでもロナウジーニョでもない。さらには全盛期のジーコでもないのです!)

そこで提案します。「加地のポジションに“闘利王”を起用してみては?」

概念にとらわれていては、この発想は絶対に受け入れられないと思いますが、その概念を外して考えてみよう。守りは出来る、問題は攻撃だがあれほど攻撃精神のあるDFが日本にいるだろうか?闘利王に加地のポジションを与えれば、精神で攻め上がり精神で相手DFを崩しにかかるだろう…。僕は面白いと思う、ジーコに提言したいくらいだ。

左からの三都主が技術でボールを供給すれば、右の闘利王は根性でボールを供給するだろう。僕が監督なら右は絶対に闘利王を起用します。もちろん守りは出来るのだから絶対にマイナスにはならないと思う。絶対と言っていい、加地よりは仕事をしてくれる!これは確信に近いものがある。今回の観戦記、僕の考える日本代表イレブンを公表してお開きとします。

 

島崎 俊郎

(あとがき)

“右サイドに闘利王を起用!”さすがアダモ師匠です。今回のイラン戦、引き分けでも良かった日本にとって(4バックは)ある意味、守備強化の意図もあったのかもしれません。対するイランは攻撃力が看板のチーム、しかし守備面では並のチームです。もし日本が本来のシステムで、「打ち合い」に持ち込んでいれば2−2また3−3のドローも望めたのでは?そういう意味では非常に悔しい一戦でした。そこでアダモ師匠が提案する“闘利王の右サイド起用”、アダモ師匠と共に私ペイ三郎がインチキ通訳に扮して、是非ともジーコ監督にお願いしにいきたい心境です。あっ、そういえば私のテーマはアウェーでしたね。こういう状況はどうでしょう?親分がコント赤信号ファンの組事務所で、コントポリネシアン(私とペイ太郎が属するグループ)が親分と若い衆の前でヒップアップさんの青春コントを披露する(…)。

では次のバーレーン戦での勝利を願って、この辺で失礼します。

それではみなさん♪ご〜きげ〜ん♪うるわしゅう〜♪

ペイ三郎

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