以前のアダモちゃんねるの「史実アダモステ」を再監修。アダモちゃんこと島崎俊郎の古今をペイ太郎が暴きます

1973年9月 ■母への告白(出発前夜)

お笑いの道を目指すと決めたアダモちゃんは資金作りのためお父さんの後を継いだお兄さんの左官屋さんを手伝いました。ある日、週刊誌の「クレイジーキャッツ新宿コマ劇場1ヶ月公演」という記事が目に飛び込んできました。「ここだ!クレイジーキャッツはこの1ヶ月間、新宿にいる。ここしかない、俺はここにいくんだ!」。アダモちゃんはスポーツバッグに荷物を詰め込みます。そしてお母さんに初めて胸中を打ち明けました。「明日、俺は東京に行く。東京に行って芸能人になる!」。お母さんの手が震えだし、「何を言ってるの。芸能界を目指して浮かばれない人がいっぱいいるじゃないか」。お母さんは我が子がそうやって落ちぶれていくことを懸念されていました。でも一度決めたら必ず実行に移す我が子の性格を知っているお母さんは、長い沈黙の後「トシちゃん、東京へ行って、もしも駄目だと思ったら遠慮なく、また家に帰ってきなさい。決して恥ずかしいことじゃないのよ。そのときは、胸を張って帰ってきなさい」とアダモちゃんを送り出しました。

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